ガンマ線バーストを用いた初期宇宙の観測

 ガンマ線バースト(GRB)は、数10秒という短時間だけ大量のガンマ線が降り注ぐ現象です。
ほとんどのGRBは100億光年よりも遠い宇宙で発生していて、1回のGRBで解放されるエネルギーは 1052 erg という膨大なものになります。
 GRBの突発的なガンマ線放射の後には、X線・可視光・赤外線・電波にわたる多波長で観測される残光現象が見られます。時間のベキ関数(t-1 や t-2)に従って急激に暗くなり、1日程度で消えてしまいます。GRBのガンマ線放射も残光も、短時間ではありますがとても明るく輝くので初期宇宙を観測するための「光源」として利用できます。特に、ガンマ線放射を利用できれば、初期宇宙観測にとってとても強力な道具になります。

 しかし、GRBのガンマ線放射は、どれ一つとして同じ振る舞いを示しません。

下の図は横軸が時間、縦軸がガンマ線強度を表すGRBのガンマ線光度曲線です。
非常に複雑な時間変化を示しているため、共通性を見出すのが困難です。


GRBはとても複雑な現象なので、共通性を見出すことが難しかったのですが、
我々の研究から1つの重要な手がかりを得ることが出来ました。
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