研究紹介
研究紹介
藤本グループでは、
X線天文衛星「すざく」などを用いたX線天体の観測的研究
X線マイクロカロリメータを用いた究極のX線分光装置の開発
次期X線天文衛星に搭載する精密X線分光装置の開発
将来のX線天文衛星への搭載を目指した検出器や極低温冷却装置の基礎開発
を行なっています。現在のグループメンバは准教授 藤本、学振ポスドク研究員 星野晶夫さん、M2 谷津貴裕君、M1 國久哲平君、B4 小井教江さん、乘附未季さんです。
1. X線マイクロカロリメータを用いた究極のX線分光装置の開発
X線マイクロカロリメータは、X線光子1個1個のエネルギーを素子の温度上昇として計測するX線検出器です。素子を0.1K以下の極低温に冷却することにより、非分散型でありながらE/ΔE>1000という極めて優れたエネルギー分解能を実現することができます。X線マイクロカロリメータは日米協力により世界で初めてすざく衛星に搭載されましたが、不具合があって天体観測を行なうには至りませんでした。そこで、2014年に打ち上げが予定されている日本の次期X線天文衛星Astro-Hに搭載するX線マイクロカロリメータを用いた精密X線分光装置の製作を、JAXA宇宙科学研究所や首都大学東京、NASA (米国航空宇宙局)、オランダ宇宙科学機関 (SRON) などと協力して進めています。並行して、従来型よりもさらに性能の優れた超伝導遷移端型のX線マイクロカロリメータと、センサを0.1K以下の極低温に冷却するための断熱消磁冷凍機の開発を、JAXA宇宙科学研究所や首都大学東京と連携しながら進めています。今現在は断熱消磁冷凍機の開発に特に力を注いでいます。
2. すざく衛星などを用いた観測的研究
これまでに活動銀河核からのX線放射や、銀河と銀河団の相互作用について研究を行なっています。これらの結果は2006年度と2007年度の修士論文にまとめられています。また、太陽風による軟X線放射の研究も行ないました。
X線で探る熱い宇宙 (2007年8月25日 金沢大学サテライトプラザミニ講演)
謎のX線放射の起源は太陽風だった! (ISASニュース2007年9月号掲載)
ISASニュース X線天文衛星「すざく」特集号 (リンク) (X線天文学についての最新情報)
参考情報